離婚を考える―その2―離婚調停

離婚は協議離婚、つまり夫婦で話し合いをして、お互いに別れることで納得し、合意することが大原則です。

しかし、離婚を申し出ても、相手が絶対に応じない場合もあります。逆に、もう一度やり直したいと考えているのに、相手が離婚を主張する場合もあります。

このように、二人だけ(あるいは家族や親戚、友人を交えて)の話し合いでは、解決できなくなってしまった場合、家庭裁判所の調停を利用する方法があります。

家庭裁判所での調停は、どうしても離婚したい方は離婚調停を申立し、どうしても離婚したくない方は、夫婦関係調整の申立をすることになります。申立を先にした方が不利、後で申立られた方が有利ということはありません。

調停手続では、調停申立を行った人を「申立人」、申立られた人は「相手方」と呼びます。

離婚調停あるいは夫婦関係調整の申立をすると、まず、家庭裁判所が最初の調停期日を決め、相手方に対して呼出状を出します。

最初の調停期日は相手方の都合を聞かないまま、裁判所が指定します。もし、呼び出された側、相手方が仕事などの都合で裁判所に出頭できない場合は、期日の前に裁判所に予め出頭できないことを伝えた方がよいでしょう。

裁判所が一方的に決めた期日ですから、呼出しに応じられないことが不利にはなることはありません。

こうして調停手続が始まると、離婚の場合、通常は男女ペアの調停委員が担当となります。そして、申立人と相手方はそれぞれ別々に、調停委員に対して自分の言い分を話すことが出来ます。このとき、申立人と相手方が調停委員の前で同席することは原則としてありません。

調停委員は二人のそれぞれの言い分を聞いた後、二人の間に立って意見をいいます。

離婚したくないと考えている方に、離婚を勧める場合もあります。逆に離婚したいと考えている方に、もう一度、夫婦としてやり直すように勧める場合もあります。

申立人も相手方も調停委員の勧めに納得できれば、調停委員のすすめどおりに相手方と合意して調停成立となり、調停手続は終わります。

これに対し、調停委員の勧めにどうしても納得できなければ、相手方と合意できないので、調停は不成立となり、このときも調停手続は終了します。

調停に応じるか否かは、本人の意志にゆだねられています。したがって、調停を申し立てられてもおよそ話し合いの余地がないときは、相手方の中には呼び出されても出席しない人もいます。

調停が不成立になった場合、どうしても離婚したい方は次の段階、離婚訴訟を起こすことになります。離婚訴訟については次に説明いたします。

ところで、離婚調停では弁護士をたてる必要があるでしょうか。

答えは、イエス&ノーです。

離婚調停の申立は家庭裁判所にある用紙に必要事項を書き入れればよく、離婚訴訟と違ってそれほど難しいものではありません。

したがって、申立そのものは弁護士をたてずに簡単に出来ます。調停委員も法律の専門家でないことが多いですし、まずは夫あるいは妻だけの言い分を聞いてくれますので、比較的話しやすいでしょう。

ただし、離婚事件の中には法律上の争点があり、相手方とのやりとりが後の結果に大きく影響するケースがあります。そういう事件は最初から弁護士がついて法的主張をした方が、事件処理が有利、迅速に進みやすいといえます。

離婚調停を申立をすべきかどうか迷っている、離婚調停を申し立てられたけどどのように対応しようと悩まれたときは、なるべく早めに弁護士の法律相談を受けられることをおすすめします。

相談したからといって、その弁護士に依頼しなければならないものではありません。

法律相談をすれば、弁護士が必要か否かも含めてアドバイスが得られます。どうぞ一人で悩まず、お気軽に法律事務所をお訪ねください。

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離婚を考える-その1-

夫婦であれば、誰しも「離婚」を考えるときがあります。
本当に離婚をするのか、あるいはしないのか、はパートナーや子供、親といった人と人とのつながりの中で決まっていくことでしょう。

このように、「離婚」はパートナーシップの解消でもありますが、法律関係の解消でもあります。
法律関係の解消という目で離婚を考えると、離婚に際しては、次の5つを考えることになります。

1 相手は離婚に応じてくれるのか。
2 子供がいる場合、誰が親権者となるか。
3 子供がいる場合、養育費をいくら払うか。
4 夫婦の財産をどのように分けるか。
5 離婚に伴う慰謝料を払うのか。

離婚の大原則は、まず相手と話し合うことです。

上の5つについて、二人の話し合いだけで、すべて決めることが出きれば、お互いに離婚届に署名して、役所に届ければよいでしょう。
これが協議離婚で、離婚のほとんどは協議離婚で成立します。
なお、協議離婚でも、離婚のときの約束事は便せんでも構いませんので、きちんと書き出して、お互いに日付と署名を書いておくことをおすすめします。

では、話し合いがつかないときはどうするのか?
この点については、次に説明いたします。

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弁護士に相談すべき?

大阪の標準的な弁護士事務所では、相談時間30分で5000円の相談料とするところが多いようです。
私の事務所の法律相談料も同じく30分で5000円としています。

さて、この30分5000円というお金をかけてまで、弁護士事務所に相談にいく必要はあるのでしょうか。

誰かに法律相談をしたいと考える方は、法的なトラブルを抱えていると思っていらっしゃる方でしょう。
法的なトラブルは、病気と同じく早期治療が大切です。
相談案件には、直接弁護士が間に入って交渉した方がよいケースと、弁護士が間に入らなくても大丈夫なケースがあります。
相談に来ていただければ、弁護士をたてるべきか、たてる必要がないかも含めてアドバイスいたします。
弁護士をたてるべきケースであれば、出来るだけ早くプロフェッショナルが事件解決に着手する方がメリットが大きくなります。
弁護士をたてるほどでなくても、相手方との交渉の進め方などをアドバイスさせていただきます。相手方との関係がスムーズになれば、トラブルは早く解決しやすくなります。

私は、弁護士事務所に相談に行くことは、タクシーに乗ることに似ていると思います。
タクシーに乗れば、バスや電車で移動するよりも、早くそして楽に目的地に着きます。
もし30分間タクシーに乗って移動すれば、多分5000円以上のタクシー代が発生するでしょう。

病気で体調が悪ければ、タクシーを使って病院に行くことと思います。
法的トラブルも病気と同じ。
トラブルの悩みを我慢して抱えないで、タクシーに乗ったつもりで気軽に事務所までご相談に来ていただければ、と思います。

もちろん、相談したからといって弁護士を頼む必要はありませんので、ご安心くださいませ。

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はじめまして

私が楓法律事務所を開設してから、いつの間にか7年の月日が流れました。

この間、依頼者の方の問題に寄り添うことを通じて、私個人にとっても貴重な経験を重ねることが出来ました。

7年の時の流れの中で、いろいろと感じたり、考えたりしたことが私の中で少しずつ熟成しているように思います。

そこで、法律の話やそのときそのときに心に響いたことを綴っていこうと思い、このブログを始めることにしました。

よろしくお願いいたします。

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